ヨモギ
〜春の料理 苦みの傑作〜
昔から「春の料理には、苦みを盛れ」と言われています。「苦味」というのは山菜や木の芽のことで、冬の間におとろえた生命力に活力を補給するために必要なビタミンCやカロチンをとれ、と言う意味です。
春の「苦味」として、昔から重視されてきたのが、ヨモギで、「仙人草」とも呼ばれています。ヨモギを食べていると、いくつになっても若々しい、仙人のように年をとらないという意味でもあります。
平安時代の医術書として、今なお有名な「医心方」にも「ヨモギは名医草という」と書いてあります。「千年草」とか「万年草」ともいわれましたが、これらはすべて、ヨモギに含まれている長寿効果や薬効をいったものです。昨今、ガンの予防や老化を防ぐ成分として注目されているカロチンが、ヨモギ100グラム中に3.6ミリグラムも含まれてています。
3月と5月という季節の変わり目に行われる「ひな祭り」と「端午の節句」に必ずヨモギ餅が登場してくるのも、子供を病気や災害などから守るためで、ヨモギの霊力ともいわれています。ヨモギセルロースは、通じを良くすると同時に、大腸ガンや動脈硬化、心臓病や肥満を防ぐ働きをしてくれます。
ヨモギの天ぷらは実に美味しい。ヨモギ飯を作ったり、ヨモギ茶を服用することによって、血管や脳の老化を防ぎ、どんどん若返りましょう。
出雲フードコーディネート協会 会員 佐方 あき歩
鰆 −サワラ−
〜西京みそ漬けで栄養の相乗効果を〜
今月は春を代表する魚「鰆」をご紹介致します。 サバ科の魚の中ではめずらしくクセが無くあっさりと食べられ、だれにでも好んで食味されている魚です。出世魚の1種で、稚魚の時をサゴシとかサゴチとか呼ばれて成魚になってサワラとと呼ばれています。
関東地方では寒鰆といって1月〜2月の真冬がおいしいとされていますが、瀬戸内地方では3〜5月産卵期前が旬でもっともおいしい時期とされています。
良質のたんぱく質やビタミン・鉄分を多量に含み、中でもカルシウムの吸収を促進する効果のあるびたみんDの含有量は多くて、成長期の幼児やカルシウムを多く必要とする老人にとっておきの健康食の一つとなっています。また、西京漬けに代表されるように、栄養価の高い日本の伝統食、味噌や麺とよくあい、栄養の相乗効果をあげる食材の一つとして重宝がられています。
いよいよ入学や行楽シーズンを迎えます。健康な身体は、健全な食生活が基本となります。日本人の風土にあった魚食文化を正しく食卓に取り入れて、明るく健康な家庭を築いていきましょう。
出雲フードコーディネート協会
会員 脇 稔明