春菊
〜風邪によし美容によし 冬場の傑作〜
「春菊」と呼ばれるのは、冬から「春」にかけて「菊」の香りを伝えるところから「春菊」と呼ばれています。春菊の原産地は、ヨーロッパ南部の地中海沿岸地方で、日本で栽培が始まったのは江戸時代からです。
漢方の世界では、身土不二を大切にしています。身土不二とは、その地方地方で人身と土壌は切っても切り離せない関係にある。ということです。地中海沿岸地方では、春菊は「食べる風邪薬」として珍重しています。病気に対して抵抗力や回復力を高めるからです。
いま日本では、ガンが注目されています。そのガンを予防するとして注目されているベータ・カロチンの含有量が非常に多く、ホウレン草やコマツナを上回っています。カロチンは肌の老化を防ぐ作用があります。毎日のように食べている人は、食べていない人に比べて、お肌年齢が10歳若いといれています。素晴らしい、緑黄色野菜です。美容ビタミンといわれているビタミンB2や風邪予防に欠かせないビタミンC、貧血を防ぐ鉄分も入っています冬場に貴重な成分をたっぷり含んでいます。
地中海沿岸地方の健康食旬を楽しみながら、風邪をひかず、ガンの予防、お肌の老化を防ぎながら 、2月の旬「シュンギク」で2月を明るく楽しく、過ごしたいものです。
出雲フードコーディネート協会 会員 佐方 あき歩
鯛 −タイ−
〜魚の王様 健康食の傑作〜
タイという名のつく魚は地方名を含めると百種類もあるといわれていますが、本物のタイ科の魚は、マダイ、チダイ、キダイ、クロダイなど日本には13種類分布しています。(「魚と貝の大事典」柏書房より)
中でも姿、味とも最高なのがマダイで、鳴門の渦潮にもまれた明石タイは特に有名です。「人は武士、柱は檜、魚は鯛」といわれているように、古くからめでたい席の祝魚としての魚の王様の地位を誇っています。
白身魚に代表される良質のたんぱく質をたっぷり含み、低脂肪、低塩分の要素も加わって、、病人食やダイエット食に最適とされています。また、発育を助け病気に対する抵抗力をつけるビタミンAや、壊血病やガンの予防効果のあるビタミンCも多く含み、健康食としても役立っています。
タイほど捨てるところのない魚はありません?刺身や塩焼きはもとより、頭はカブト煮、骨はお吸い物、皮は湯びき、内蔵は白子、真子の煮付けや、水炊き、うろこまで揚げればおいしい酒の肴として召し上がれます。
健康の三原則は、「よく食べ、よく運動し、よく眠る」ことです。明石の鯛が容姿端麗で身がしまり美味しいのも、瀬戸内の小魚(特に元気のよい小エビ類)を十分食べ、鳴門の渦潮の荒波の中でよく運動し、外敵の少ない静かな環境の中でよく眠っているからこそ、それだけの価値が生じてきているのです。
私達も明石の鯛にあやかり、毎日健康に、明るく楽しく過ごしてゆきたいものです。
出雲フードコーディネート協会
会員 脇 稔明